住宅ローンを利用できる年齢は何歳まで?子供の養育費なども踏まえたそれぞれの年齢に合わせたプランをご紹介

住宅を購入する際に多くの人が利用するものが住宅ローンです。住宅ローンを利用するには審査を通過する必要があります。またその他の条件には年齢も関係しています。

今回は、住宅ローンは何歳まで利用できるのか、年代別の住宅ローンのシミュレーション、注意点について解説します。

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住宅ローンを借りるのに年齢制限はあるのか?

住宅ローンは審査に通過すれば基本的に借りることができるものですが、利用するのに年齢制限は設けられているのでしょうか。

年齢制限は存在する

結論からいうと住宅ローンの利用にあたっては年齢制限が設けられています。住宅ローンの利用時の年齢要件には、「申込時年齢」「完済時年齢」があります。

住宅ローンにはさまざまな種類がありますが、どの住宅ローンでもこの年齢制限は設けられているものなので、確認しておきましょう。

一般的に住宅ローンを利用できる年齢の下限は20歳以上と設定されており、上限年齢は75~80歳未満と設定されていることが多いです。金融機関や住宅ローンの商品によって上限年齢は異なります。

年齢制限が設けられているため、早い段階で住宅ローンを利用すれば、その分返済期間が長くなります。余裕をもって返済したいと考えているのなら、早めに住宅ローンを組んでおくと良いでしょう。

早めに住宅ローンを組んでおけば団体信用生命保険(以下、団信で表記)に加入することも可能です。団信に加入していれば、万が一のことが起こり、返済が難しくなった場合残っているローンが免除される制度です。思わぬ災害や事故などの不測の事態に備え団信に加入しておくのは、ほぼ必須といえるでしょう。

そのため住宅ローンを利用する際は返済期間に関しても注意しなければなりません。

たとえばフラット35の住宅ローンの場合、15~35年の長期固定金利で年齢上限は80歳未満と設定されている商品なので、35年で住宅ローンを組みたい場合は44歳までなら利用することが可能です。35年という長期間なら返済計画が立てやすいものの、申し込み年齢が70歳前後の場合返済期間が短くなり、ローンの返済に追われ生活費のやりくりが難しくなる可能性があります。

70歳以上で住宅ローンを組む場合は親子リレーローンを組むと良いでしょう。親子リレーローンとは親子二世代に渡って住宅ローンを返済する制度です。この制度を利用すれば、後継者にあたる子世代の年齢から算出されるので、長期での返済計画を立てることができます。

契約時は親世代がローンの返済を行い、決められたタイミングで住宅ローンの返済義務は親世代から子世代へと移行していきます。

子供との養育費と要調整するべき

少しでも住宅ローンを減らしたいという一心から繰り上げ返済を行う人がいます。しかし、繰り上げ返済をしたくてもまとまったお金が手元にないため、新たに教育ローンを組み資金調達をします。

しかし、教育ローンでは無担保ローンのため金利が非常に高いです。教育ローンに手を出した結果、住宅ローンの繰り上げ返済と教育ローンの返済という二重苦に陥り、最終的には手元に一切お金がなくなってしまうという事態になってしまいます。

住宅ローンはそもそも金利の低いローンなので、無理をして早く返す必要はありません。繰り上げ返済をして住宅ローンを減らすよりも、ローンの返済をしつつコツコツ養育費を貯める方が賢明でしょう。繰り上げ返済のメリットに囚われず住宅ローンの返済を進めていくことが重要です。

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年代ごとのシミュレーション

先述したように住宅ローンは20歳という条件を満たしていれば、住宅ローンを組むこと自体可能です。しかし、年代によって住宅ローンの返済計画が異なります。

そこで、年代別の住宅ローンのシミュレーションを紹介します。

借入時30代の場合

30代で住宅ローンを借り入れた場合、比較的早い時期なので完済時年齢80歳未満で最長49年の返済期間があります。49年という長い返済期間があるため、どの金融機関で借り入れをした場合でも、定年退職するまでに余裕をもって返済を行うことができるでしょう。

借入時40~50代の場合

借り入れ時期が40~50代の場合、完済時年齢80歳未満で最長39~29年の返済期間が設けられています。定年退職する時期は現在63歳(2020年8月時点)なので、定年退職後にも住宅ローンの返済をし続ける可能性が高いです。そのため定年後の5年~10年で完済できるかどうかよく考える必要があります。

退職金が支給された後、住宅ローンに全て充ててしまうこともありますが、一度踏み留まって、老後資金に回さなくても良いか検討しましょう。

そして、返済計画・今後の老後生活の将来設計のために退職金がいくらもらえるのかも把握しておきましょう。

退職金で住宅ローンが返済できそれでも余るようなら問題ありませんが、退職金がもらえない、少ない場合は、年金や貯金から捻出する必要があるため十分に考えなくてはなりません。

老後の収入源は年金頼みになってしまうので、資金は十分に確保しておく必要があります。

借入時60代の場合

別荘やセカンドハウスを購入する場合は60代で住宅ローンを組むということもあります。60代の場合、完済時年齢80歳未満で最長19年の返済期間があります。

他の年代と比べ返済期間が短いため、老後の生活費なども考慮しより細かなライフプランを考え、本当に住宅ローンを組む必要があるのかよく検討しましょう。

どうしても住宅ローンを利用しなければならない場合は、繰り上げ返済を行い、利息を減らしつつ返済を進めていくか、リバースモーゲージやリレーローン、親子ペアローンの利用も視野に入れると良いでしょう。

特にリバースモーゲージはシニア向けのローンで支払い義務があるのは住宅ローンにかかる利息のみです。物件の返済は契約者が亡くなった後または契約終了後に、物件を売却することで一括返済できます。負担が少なく年金生活者にとってメリットの大きい制度です。

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借りる時の注意点

世代によって返済計画が異なっていますが、どの世代にも共通していえる注意点があります。住宅ローンを借りる上で押さえておきたい注意点を紹介します。

住宅ローンを借りる際に考慮すべき3点

1点目は住宅ローン選びから注意する必要があります。住宅ローンを選ぶ際、「融資可能」という言葉に惹かれ住宅ローンを選ぶ人も多いのではないでしょうか。融資可能な金額というのは、実際の返済金額とは異なります。実際に返済する金額は、借りた金額に利子が上乗せされるので、返済可能金額とは異なります。住宅ローンを選ぶ際は金額に囚われず、返済できる金額を借りることが重要です。

2点目は無理のない返済を意識しましょう。利息を軽減しようと思い、少し無理をしてでも繰り上げ返済をする人もいますが、繰り上げ返済をすれば手元のお金が無くなり生活に影響が出てしまい、本来の返済計画が崩れてしまう可能性があります。そうならないためにも返済シミュレーションを行い無理のない返済計画を立てましょう。

3点目はライフステージに見合った返済計画を立てることです。前述したように借り入れをした年代によって、返済期間が大きく異なります。返済期間異なるということは、返済計画もそれに併せて立てる必要があります。またご家庭によって、人生の3大資産ともいわれる「住宅資産」「教育資産」「老後資産」の運用方法も変わるので、今後のライフステージにおいて何が重要なのかということを考えて、返済計画を立てていくことが必要です。

お金の相談ならファイナンシャルプランナー

住宅ローンにはさまざまな種類がありますし、自身に合う住宅ローンを選ぶことは難しいものです。そのような場合、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャルプランナーに住宅ローンの相談をすれば、適切な住宅ローンを提案致します。またご家庭状況に見合ったシミュレーションも行いますので、無理なく返済できる返済計画を立てることができます。

なるべく住宅ローンの返済で支払いを軽減したい、老後のライフプランを想定した上での返済計画を立てたいというさまざまなご要望にも対応していますので、安心してお任せいただけます。

まとめ

金融機関によって異なりますが、ほとんどの場合上限80歳未満であれば住宅ローンの借り入れをすることができます。

年代によって返済期間が異なるため、無理なく完済するためには年代に見合った返済計画を立てる必要があります。自身でシミュレーションを行うこともできますが、より確実な返済計画を立てるのであれば、ファイナンシャルプランナーへの相談がおすすめです。