新築マンションってどのくらいの期間保証されるの??

どんなに眺望が良かったり、最新の設備を備えていたりする新築マンションでも、まったく不具合や欠陥が見つからない可能性はゼロではありません。

この記事では、新築マンションを購入した場合の保証期間やその内容、そしてアフターサービスについて解説します。

「大きな買い物だし、もしものときに利用できるサービスは知っておきたい」「もし購入したマンションに欠陥が見つかったら、どのくらい保証がされるの?」といった思いがある方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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新築マンションの保証期間

新築マンションの場合の保証期間は法律で10年と決まっています。中古住宅の場合とは保証期間が大幅に異なり、この期間中に設備不具合などが見つかった場合は、売主である事業者が無償で修繕をしなくてはならないという内容です。

詳しく解説します。

契約不適合責任って何!?

では、上で述べた契約不適合責任とは、一体どういう意味なのでしょうか。

契約不適合責任とは、ひとことでいえば「取引したのが契約書の内容と異なる物件だと判明したとき、売主側が責任を負う」という民法上の決まりです。

2020年にこの民法が改正されるまでは「瑕疵(かし)担保責任」という条項のもと、「隠れた欠陥(=瑕疵)が判明したとき」に発生する認識でした。しかしこの「隠れている」という判別基準が分かりづらかったこともあり、買主売主双方で責任範囲を争う不動産トラブルが多く起こっていたのです。

改正民法では「契約不適合責任」という呼び方に代わり、次のように定められています。

「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる」(562条より引用)

ここでいう「追完請求」とは、契約書どおりの建物でなかった場合、買主は売主に対して契約書どおりに修繕などを行うよう求められるという意味です。

さらに追完請求に加えて、契約解除、代金減額請求ができるほか、売主に帰責事由がある=過失があると認められる場合は損害賠償請求をする権利も生じます。

ただし、買主は不適合を知ったタイミングから原則1年以内にこの請求をしなければなりません。

この改正があったことで、売主側にはより高品質な建物取引を行うという責任が強く求められ、消費者となる買主にとってはより安心、安全が保証されているといえます。

契約不適合責任が適用される場合

買主であるお客様と売主、双方の主張が噛み合わなければ、裁判にまで発展する場合もあります。

では、具体的に、契約不適合責任が適用される事例はどのようなものがあったのでしょうか。ケースバイケースですが、ここではふたつのパターンに分けて紹介します。

建物の瑕疵によるもの

  • ・建物の主要な構造(基礎、壁、柱など)の強度が十分でない場合
  • ・建築資材に国の環境基準をクリアしていないものが使用されていた場合

たとえば、「窓を閉めきっているのに、部屋の一角に雨水がたまっていた」という、雨水を防ぐ設備の欠陥が判明したパターンはどうでしょうか。売主からお客様に対しては契約事項も、直接の説明もなかったとします。

これらは引き金となるできごとがなければ実際に生活するお客様の目には見えづらく、実害がでてからやっと建物に原因があったと判明します。「まだ新築なのに、だまされた気分」といったような新たな不満も出てくることでしょう。

周辺環境によるもの

たとえば、建物よりも基準が難しいイメージがありますが、次のような周辺環境が要因となるケースもあります。

「地上◯◯メートルの部屋からは最高の眺め」というようなキャッチコピーに惹かれマンションを購入した後、同じ業者が建てた新しいマンションのために、その眺めが損なわれた。

契約の際に売主から説明されていたことが同業者によってくつがえされた場合や、またはじゅうぶんに説明がされないまま、環境が生活に影響をおよぼすといった場合などに、契約不適合責任が適用できるといえます。

直接的、もしくは間接的なトラブルであっても、契約不適合責任を適用するにあたって必ず確認されるポイントがあります。ひとつは、どんな内容の契約だったのかということです。

契約不適合責任は任意規定とよばれるもので、契約書で特約や免責事項として不適合箇所についての説明がある場合は「売主から買主へ不適合箇所を説明して、合意を得ていた」とみなされます。

つまり、買主が不適合な箇所がここだと知っていて契約したなら、あとからその責任を問うことはできないのです。そのため、マンション購入の契約のときは細部まで読み込み、納得した上でサインをすることが重要です。

とはいえ、普段ふれない用語が多い上、読み込みに苦労するのも契約書です。必要に応じて相談窓口など専門家を利用するようにしましょう。

もうひとつのポイントは、売主の事業形態によって、買主が契約不適合を「通知」できる期間が異なることです。

売主が個人の場合:物件引き渡し後3ヶ月以内に通知しなければならない

売主が法人の場合:引き渡し後1年以内に通知しなければならない

売主が宅建業者(不動産業者)の場合:引き渡し後2年以内に通知しなければならない

といったことも決まっているため、契約不適合と思われる箇所がわかった時点で、すぐに通知の準備を進めましょう。

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アフターサービスの保証期間もあわせてチェック

ここからは、アフターサービスの保証期間について解説します。先に説明したマンション自体の保証期間とあわせてチェックしておくと安心です。

アフターサービスとは

新築マンションの取引でいうアフターサービスとは、建物や設備に不具合があったときに売主側が無償で点検したり修繕したりしてくれることをいいます。

物件引き渡しの際に、売主が作成した「アフターサービス基準書類」が渡されますが、最近ではどのマンションもほぼ共通した業界基準にもとづき、アフターサービスが提供されています。

このとき売主によって行われるアフターサービスと、管理会社によって行われるマンション管理サービスとは別物であると理解しておきましょう。管理会社の仕事は定期清掃や巡回などといった役割で区別されます。

また、売主によってもアフターサービスを行う体制は異なります。

定期的に点検が行われているのかどうか、点検や修繕を行う前後の告知や履歴が明確に残されるかどうかも、手厚いサービスを期待する方にとってはチェックしておきたいところですね。

アフターサービスのポイント

マンションを購入したときのアフターサービス内容は、業者によってやや異なる部分があるため必要です。特に次の2点をチェックしておきましょう。

  • ・アフターサービスの範囲
  • ・アフターサービスの期間

たとえば、買主が故意につけた傷などによる不具合についてはアフターサービス(=無償対応)の適用外となるため注意する必要があります。

点検や修繕が無償となる期間は物件引き渡しから2年間が一般的です。購入から数年は、特に注意して使用していきたいですね。

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物件を比較して保証期間の長い物件を探すにはプロに相談

不動産の場合は住みはじめて数年経過してから、基礎などに不具合が判明することもあるため、保証期間の長い物件を見つけたいと思うのは当然のことです。

保証期間を調べるためにマンション購入希望地の1件1件をあたるのは大変なので、不動産鑑定士やコンサルタントといった専門家に相談をしましょう。

困ったことがあったら住まいサーフィンに相談

安心できるマンションの購入には、どんな些細なことでも相談できる専門家が必要なのではないでしょうか。そこで、不動産コンサルティング経験の豊富なスタッフが相談に乗ってくれるサービスがあります。

物件の資産価値、「住まいサーフィン」では適正価格がわかるサービスをこちらで展開中。業界を熟知したスタッフのサポートで、新築マンションで得する部屋を探し出すこともできます。

住宅ローンや購入の相談ならファイナンシャルプランナーに相談

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まとめ

新築マンションを購入すると、10年間の保証期間が付与されます。

保証期間中であっても、契約書と異なる部分があるとわかったときには、お客様から売主に対して契約不適合責任を問う権利があります。

快適な生活を送るためには、マンション自体の保証期間とあわせてアフターサービスの範囲や適用期間まで確認しておくと安心です。