東京近郊の新築マンション、平均価格は!?

新築マンションを買いたいけれど、何から始めればいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。まずは新築マンションの価格がどれぐらいなのか、知るところから始めてみましょう。 今回は、東京近郊の新築マンションの平均価格についてご紹介します。

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東京近郊の新築マンションの平均価格

東京都内や埼玉・神奈川・千葉各県といった東京近郊で新築マンションは、どれぐらいの価格で販売されているのでしょうか。まずは相場を押さえましょう。

首都圏新築マンション・分譲マンション平均価格とは!?

(株)リクルート住まいカンパニーが、2019年1~12月に首都圏の新築分譲マンション購入者を対象に行った「2019年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、首都圏の新築分譲マンションの平均購入価格は5,517万円でした。

マンションを購入したエリアは、東京23区が38.6%で最多。以下、神奈川県(26.3%)、埼玉県(15.3%)、千葉県(11.6%)、23区以外の東京都内(8.3%)となっており、東京23区と神奈川県で60%を占めています。

新築マンション価格の推移

2019年のデータでは、首都圏の新築分譲マンションの平均価格は5,000万円を超えています。この事実に「高い!」と感じた人もいるでしょう。

しかし、この価格が今だけのものなのか、今後も続くのか判断するには、現状だけに注目するのではなく、過去にさかのぼって現在までの流れをつかむ必要があります。そこで、ここ数年の新築マンションの価格推移を見てみましょう。

近年の新築マンション価格の推移今後の予想

先ほど述べた(株)リクルート住まいカンパニーの調査によると、2001年の調査開始以来、首都圏の新築分譲マンションの価格は2019年まで、年によって少し下がったことはあっても、19年間を通じて上がり続けています。2001年の平均価格が3,871万円、2019年の平均価格が5,517万円なので、19年間で約1.4倍の価格になっています。

特に、2014年以降の上昇が著しく、2001~2014年の価格上昇が469万円であるのに対し、2014~2019年の価格上昇は実に1,177万円となっています。

当初、東京オリンピックが開催される2020年頃までは、価格上昇の流れは続くと見られていました。しかし、2020年の初めに起きた新型コロナウイルス感染症によって経済活動が止まってしまう事態になり、そのような流れも変わるのではないかと見る専門家もいます。

コロナによる価格推移

新型コロナウイルス感染症の流行は、首都圏の新築分譲マンションの価格にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

近年の世界的な金融危機といえば、2008年のリーマンショックが思い出されます。リーマンショックが起きたのち、日本の実質GDPは大きく減少しました。GDPは所得に反映されるため、国民の所得も減ったことを意味します。実質GDPがリーマンショック以前の水準に戻るまでに、約2年かかりました。

住宅の供給もリーマンショックの影響を受けましたが、株価が回復しても供給戸数は回復せず、リーマンショック後の2009年の新築マンション供給戸数は前年比約16.8%減、価格も約5.0%減となりました(2008年の新築マンション供給戸数43,733戸、平均価格4,775万円。2009年の新築マンション供給戸数は36,376戸、平均価格4,535万円)。

リーマンショック以前のマンション供給においては、デベロッパーが量を追求する傾向にあり、首都圏の郊外にまで大型マンションが建設されていました。リーマンショック以前、新築マンションの供給戸数は現在よりも多く、2019年の約3.1万戸と比べても2008年の4万戸という数字がいかに多かったかわかります。

ところが、リーマンショック後、多くの企業でリストラが行われたことにより、マンションを購入できない層が増えました。本来ならマンションを買ってくれるはずの層が減った結果、物件が残り、デベロッパーは大幅に値下げをして販売せざるを得なくなってしまいます。その結果が、販売価格の下落につながったのです。

リーマンショックによって、新築マンションの平均価格は下落しましたが、実はすべてのマンションの価格が下落したわけではありません。あくまでも売れ残った物件を値下げ販売したことで平均価格が下落したのであり、東京23区の都心部をはじめとする付加価値の高いマンションは、必ずしもそうではなかったのです。

リーマンショック時の状況を考えると、今回の新型コロナウイルス感染症が新築分譲マンション市場に与える影響もけっして小さくないでしょう。企業の業績悪化に伴い、勤務先を解雇される層は、リーマンショックのときよりも広範囲に及ぶのではないかと考えられています。

立地の良い都心部マンションの価格は下がりにくいですが、そうしたマンションを購入するような大企業に勤める人が、リストラや所得の大幅減といった事態に見舞われる可能性はゼロではありません。本来の購買層が減ると需要と供給のバランスが崩れ、マンションの価格にも影響します。

まずは新築マンションの情報を集めよう!

購入者と供給者の需給バランスや社会情勢により、新築マンションの市場は動いています。マンションの購入を考えているなら、情報を集める必要がありますが、独力で進めるのは簡単ではありません。相談に乗ってくれたり、情報を教えてくれたりする場を活用するのがおすすめです。

相談窓口で話を聞こう

「モデルルームや仲介業者のもとを訪れる段階ではまだない」「新築マンションを買うには何から始めればいいかわからない」という人は、住宅について相談に乗ってくれる店舗型の相談窓口を利用してはいかがでしょうか。

特定の不動産業者の下に属していない、独立系の窓口なら中立的な立場で相談に乗ってくれます。代表的な店舗に「スーモカウンター」https://www.suumocounter.jp/mansion/「ライフルホームズ」https://www.homes.co.jp/counter/smansion/などがあります。

これらの店舗では無料で相談が受けられ、専属アドバイザーがついて新築マンション探しをサポート。マンションの選び方や購入費用についてのアドバイスはもちろん、モデルルーム見学のスケジュール調整もアドバイザーが行ってくれます。また、物件の営業をされる心配がなく、マンション探しの初心者でも安心して任せられます。

店舗での相談は予約制をとっているところが多いので、ホームページなどをチェックしましょう。

新築マンション購入講座に参加してみよう

マンションを購入して「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないために、建築構造や地盤、購入資金、住宅ローンや税金などさまざまなことを知っておく必要があります。

これから新築マンションを購入しようとする人向けに、各地で新築マンションの購入講座が開催されているので、ぜひ参加してみましょう。先ほど述べた相談窓口の店舗のほか、デベロッパーなどが主催しているものもあります。

新築マンションの購入の段取りを教えてくれる初心者向けの講座から、特定エリアに絞った講座、資産としての価値を視野に入れたマンション選びの講座まで、内容もバラエティに富んでいます。講座はマンション探しや金融のプロが担当しており、正確かつ最新の情報を手に入れることができます。

suumo 新築マンション購入講座(https://www.suumocounter.jp/mansion/seminar/)

まとめ

首都圏の新築マンションの価格は2001年以来、上昇を続けています。特に、ここ4、5年は2020年に開催予定だった東京オリンピックも追い風になり、上昇幅が大きくなっていました。

しかし、新型コロナウイルスの影響で経済活動が停滞し、このあとのマンション市場がどのように推移するか油断できません。今回の新型コロナウイルスが雇用に与える影響はリーマンショック以上ともいわれることから、マンション市場に与える影響も大きくなる可能性もあります。

ただし、リーマンショック時の経験から、付加価値の高い都心の新築マンションの価格は、郊外よりも経済の影響が小さくなる可能性も指摘されています。

マンション購入の相談窓口や講座などを活用し、新築マンション市場の情報を収集して後悔しない購入につなげましょう。