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仲介手数料とはどういう費用なのか?
不動産の売買契約を結ぶ際にかかる費用のひとつに「仲介手数料」があります。 アパートなどの賃貸契約を結ぶ際にも仲介手数料はかかりますが、仲介手数料とはどのような費用で、誰に支払うものなのでしょうか。
ここでは仲介手数料の仕組みと金額についてご説明します。
仲介手数料とは?
仲介手数料とは、住宅を売買したり、アパートなどの賃貸契約を結んだりする際に、売り主と買い主(賃貸契約の場合は貸し主と借り主)の間に入って、契約内容の調整や契約手続きなどの事務処理を行ってくれる仲介業者に支払う手数料のことです。
仲介業者は、不動産会社もしくは仲介会社の場合がほとんどです。
契約をかわし、物件の引き渡しを行う際に仲介業者に仲介手数料を支払います。
売り主と買い主が直接取引をかわす場合は、仲介役を行う仲介業者が存在しないため、仲介手数料はかかりません。
しかしほとんどの場合、不動産会社が売り主に代わってお客様に物件を紹介したり、各種手続きを行ったりしているため、仲介手数料が発生するケースが多いでしょう。
仲介手数料の法定上限額
ほとんどの不動産契約には仲介手数料が発生するとご説明しましたが、仲介手数料の金額はどのようなルールで決定するのでしょうか。
仲介手数料は、仲介を行う不動産会社によって異なりますが、宅地建物取引業法46条によって上限額が決まっています。
つまり、仲介手数料の上限額は法律で決められており、その金額を超える仲介手数料を支払う必要はないということです。
仲介手数料の上限額は、以下計算式でもとめられます。
200万円以下の部分 | 物件価格×5%+消費税 |
---|---|
200万円を超えて400万円以下の部分 | 物件価格×4%+消費税 |
400万円を超える部分 | 物件価格×3%+消費税 |
(2019年10月1日より消費税10%が適用になっています。)
物件価格を金額ごとにわけ、それぞれの計算式をあてはめて金額を出していくのです。 実際の価格を計算式に当てはめてみると、以下のような計算の仕方になります。
例:1,000万円の物件を購入する場合
200万円以下の部分 | 200万円×5%+消費税=11万円 |
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200万円を超えて400万円以下の部分 | 200万円×4%+消費税=8万8,000円 |
400万円を超える部分 | 600万円×3%+消費税=19万8,000円 |
39万6,000円 |
しかし、物件価格を金額ごとにわけて計算するのは大変ですよね。
そこで、400万円以上の物件を購入する際は、以下の簡易式を使用して仲介手数料をもとめられます。
400万円以上 | 物件価格×3%+6万円+消費税 |
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1,000万円の物件を購入する場合も、簡易式の計算式にあてはめてみると、先ほどと同じ金額になるのがわかるでしょう。
1,000万円×3%+6万円+消費税=39万6,000円
物件価格に対する仲介手数料の法定上限額の一例をご紹介します。
仲介手数料の上限額を知っておくと、物件を購入する際に費用の目安がわかるので、非常に便利ですよ。
800万円 | 33万円 |
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1,000万円 | 39万6,000円 |
1,200万円 | 46万2,000円 |
2,000万円 | 72万6,000円 |
ご紹介した金額は、あくまでも法律で定められた上限額です。
仲介業者が納得してくれれば、いくらでも下げることは可能ですので、金額について交渉できるか担当者に問い合わせてみてください。
新築マンションは仲介手数料がかからない⁉︎
仲介手数料は、売り主と買い主の間に不動産会社などの仲介業者が存在する場合に発生する手数料です。
ほとんどの不動産契約では、不動産会社を介して取引を行うため、仲介手数料が発生します。しかし新築マンションを購入する場合、仲介手数料がかからないケースがあるのです。
仲介手数料がかからない新築マンションとは、いったいどのような物件なのでしょうか。
新築マンションは手数料があまりかからない物件である
新築マンションは、売り主による直販、もしくは販売代理や販売提携での販売が多く、その場合買い主は仲介手数料の支払いが必要ありません。
販売代理とは、不動産会社が売り主に代わって物件を販売し契約を行います。不動産会社は売り主の代理であるため、仲介手数料が発生しません。
販売提携とは、売り主から不動産会社が委託を受けて販売活動を行います。新築マンションを販売提携にて売りに出す場合、販売提携(代理)と販売提携(媒介)の2種類が存在します。
販売提携(代理)は販売代理と同じような役割がありますが、販売提携(媒介)の場合、不動産会社は物件の説明などを行うことはできますが、契約手続きを行うことはできません。販売提携の場合も、買い主側に仲介手数料が発生することはないでしょう。
ただし、売り主が仲介会社に売却を委託している場合は、仲介手数料がかかるケースがあります。どのような形態で物件が売りに出されているか、事前に確認してから契約などの手続きに入りましょう。
新築マンションで仲介手数料がかかる場合、ほとんどの仲介業者は上限額を提示してきます。先ほどお伝えしたとおり、交渉次第では金額を安くできる可能性がありますよ。
片手仲介の場合は値引きしにくい
「両手仲介」とは、仲介業者が売り主と買い主から仲介手数料をもらうことです。
逆に、「片手仲介」とは、売り主・買い主のどちらか片方からしか仲介手数料をもらえない取引になります。
新築マンションはほとんどが売り主による直販ですが、販売状況によってまれに片手仲介の仲介業者へ委託している場合があります。その場合、必ず仲介手数料を取られてしまうので注意しましょう。
仲介手数料は、仲介業者の利益となる部分です。値引きを行うと利益が減ってしまうため、積極的に値引きを行ってくれる業者は少ないでしょう。
仲介手数料の有無は、マンションの購入費用に大きく影響をあたえます。
仲介手数料がかからない、もしくは金額を値引きしてもらえたら、その分でインテリアや内装にお金をかけることができますよね。
気になる物件が見つかったら、まずは担当者に仲介手数料について確認してください。
こんな請求には要注意!
マンションの購入は一生に一度しかないような大きな買い物です。
限られた予算の中でこだわりの住まいを見つけるためには、かかる費用はできるだけおさえたいもの。
しかし、正しい知識をもっていないと、知らないうちに違法な請求をされてしまうことがあります。
ここでは、仲介手数料に関する違法な請求について詳しく解説します。安全な仲介業者を見極める方法として、ぜひ参考にしてください。
違法な請求をされることがある⁉︎
仲介手数料は、成功報酬として仲介業者に支払うものです。たとえ不動産売買契約を結んだとしても、実際に引き渡しが成立しなければ支払う必要はありません。
引き渡しの前に仲介手数料の支払いを求められた場合は、怪しい業者の可能性がありますので、十分に注意してください。
また、法定の仲介手数料以上の金額を請求するのも違法です。
仲介手数料の上限額を知っておかないと知らずに支払ってしまう可能性がありますので、契約する物件の仲介手数料はご自身でも計算して、上限額を把握しておきましょう。
まとめ
仲介手数料とは、住宅の売買や賃貸借の取引の際、売り主と買い主の間に入って意見の調整や契約事務などを行う不動産会社もしくは仲介会社に支払う手数料のことです。
仲介手数料の金額は、宅地建物取引業法46条によって上限額が決められていますが、あくまでも上限のみで下限は決められていません。
新築マンションは、売り主による直販、または販売代理や販売提携での販売が多く、ほとんどの場合仲介手数料はかからないでしょう。
この記事の情報を参考にし、より賢く新築マンションを購入しましょう!