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マンションの購入を決める上で最も重視されるのは「間取り」です。けれども「理想だったはずの間取りが実は暮らしづらかった」というケースは多々あります。マンションは高い買い物ですから不満があるからと簡単に住み替えはできません。後悔しないためには、どのような点に着目すればいいのでしょうか。
何が快適なのか知っておくと理想のマンションを見つけやすい
・間取り図の用語や記号を知っているとスペースの使い方や制限が分かる。
・マンションには4つのタイプがあり、家族構成やライフスタイルによって最適なタイプが異なる。
・ちょっとした工夫で住み心地を良くしたり、長く住んだりすることができる。
・マンションは3LDKの供給が最も多くてファミリー向け。
・部屋数だけでなく面積も重視して。
・風水の多くは経験則に基づいており実用的である。
間取りの基礎知識を解説
マンションの「間取り図」にはたくさんの情報が含まれています。用語が分かれば大まかなイメージを掴みやすいでしょう。そんな間取り図によく登場する用語を紹介します。
まずは居室を表す用語です。
用語 | 意味 |
L | リビング(Living)。居間のこと。 |
D | ダイニング(Dining)。食堂のこと。 |
K | キッチン(Kitchen)。台所のこと。 |
数字 | LDKを除く居室の数。 |
例えば「3LDK」のマンションであればリビング、ダイニング、キッチンに3つの居室があるという意味になります。一方、間取り図で「DK」や「LDK」のように続けて表示されている場合は、それぞれ仕切りがなく繋がっている状態です。
用語 | 意味 |
BR | ベッドルーム(Bed Room)。ベッドが据え置かれているなど寝室として使用する部屋。複数ある場合は主寝室を「MBR(MはMasterの略)」と表記する。 |
DEN | 特に定義はないが書斎や仕事部屋として使える。 |
DR | ドレッシングルーム(Dressing Room)。鏡台が据え置かれている。 |
SR | サンルーム(Sun Room)。ガラス張りの部屋。 |
U | ユーティリティー(Utility)。家事のためのスペース。 |
すべてのマンションにあるわけではありませんが、このように用途を特定している部屋もあります。
次に居室以外のスペースを表す用語です。
用語 | 意味 |
CL | クローゼット(Closet)。収納スペースのこと。スペースが広いと「WIC(ウォークインクローゼット)」と表記される場合もある。 |
S | サービスルーム(Service Room)。窓がなく、建築基準法で居室と認められないスペース。「納戸(なんど)」とも呼ばれ、頭文字の「N」と表記する場合も。 |
これらは収納専用のスペースです。「3SLDK(または3LDK+N)」であれば、3LDKにサービスルームが1つ付いているマンションになります。
用語 | 意味 |
DS | ダクトスペース(Duct Space)。換気や空調のためのスペース。 |
MB | メーターボックス(Meter Box)。各メーターを収納するスペース。 |
PS | パイプスペース(Pipe Space)。配管が通っているスペース。 |
既に何かが入っているため間取りの中に含まれていても使用できません。いわゆる「デッドスペース」です。
以下は設備類の表記です。
用語 | 意味 |
AC | エアコン。 |
BP | バイシクルポーチ(Bicycle Poach)。自転車置き場。 |
Ent | エントランス(Entrance)。玄関のこと。 |
FIX | 開閉のできない窓。 |
R | 冷蔵庫を設置するスペース。「1R」のR(Room)とは別。 |
TR | トランクルーム(Trunk Room)。室外にある物置。「TS」と表記する場合も。 |
W | 洗濯機を設置するスペース。 |
WC | トイレ(Water Closet)。 |
間取りを表す「1R(ワンルーム)」はキッチンやダイニングが無いか狭く、リビングと一体化しているマンションのことです。他に部屋はありません。
最後に記号について紹介します。
記号 | 意味 |
点線 | 天井が低いところ。内側に「×」が描かれている場合は冷蔵庫や洗濯機などを置けたり、ロフトになっていたりするスペース。 |
扇形 | ドアが開閉する範囲。 |
天井が低いところは置ける物が限られ、ドアが開閉する範囲には何も置けないので注意が必要です。多くのドアは人がぶつかるのを防ぐために内開きになっています。
家族にあった理想の間取りの選び方
最適なマンションは、家族の人数だけでなく生活スタイルによっても変わります。居室の数や収納スペースの有無はもちろん、風通しや採光、動線も重要です。マンションの造りは主に4つのタイプがあります。それぞれのメリットとデメリット、合っているライフスタイルを見ていきましょう。
田の字型
玄関が外の廊下に面しており、室内の廊下とキッチンやトイレ、浴室などの水回りを中心にして田の字型に居室が配置されています。最も有効にスペースを活用しやすく、風通しや採光にも優れています。価格が割安なのも魅力です。
一方で廊下側の居室はプライバシーを保ちづらいというデメリットがあります。また居室の奥行があるほど自然光が届きにくく、廊下が他のタイプより長くなる、つまり居室として使えるスペースが限られる点は注意が必要です。
プライバシーがあまり気にならなかったり、日中は仕事や通学などで家を空けている方が多かったりする家族に向いているでしょう。廊下側の居室は書斎やクローゼット代わりにするなど、常時利用しないスペースにする方法もあります。
センターイン(中入り玄関)型
玄関が部屋の側面中央部にあり、左右に居室が分かれています。このタイプは階段やエレベーターを挟んで2つの部屋が向かいあっている場合が多いため、行き来する人が限定されプライバシーを保ちやすくなります。
友人が頻繁に集まるならリビングがある方だけ入れるようにして、もう片方をプライベートなスペースとして区切ることができます。自宅で仕事をしたり教室を開いたりする使い方にも向いています。家族の生活リズムが異なる場合も気遣いが不要です。
ただしマンションの戸数を多くしづらいため、1戸あたりの価格は高くなる傾向があります。また購入後も階段やエレベーターがほぼ専用になるため、管理費や修繕積立金などのランニングコストが大きな負担になりやすいでしょう。
ワイドスパン型
1つのバルコニーに面している居室が多く、窓などの開口部も十分に確保されています。共用廊下が中央にあって、部屋が向かい合うように並んでいるマンションに多いタイプです。採光に優れて眺めが良いのが特徴です。
他のタイプよりもリビングが広くて使いやすく、子育て中などコミュニケーションを重視したい家族に向いています。バルコニーも広いので洗濯物を干したり家庭菜園にしたりするなど庭代わりに使えるでしょう。
センターイン型と同じくマンションの戸数が限られるため価格は高めです。その割に廊下側は水回りや収納に使うしかなく、1戸あたりの居室数は少なくなります。また開口部が多いと1年中外気の影響を受けやすくなるので光熱費を抑える対策が必要です。
角部屋型
その名のとおり共用廊下の突き当たりにある部屋です。田の字型やワイドスパン型が中心のマンションでも、センターイン型のような造りにできます。共用廊下を行き来する人も限定されるので、プライバシーや静音を重視したい家族にお勧めです。ただし三方の壁が外に面しているため、ワイドスパン型以上に外気の影響を受けやすいのが難点です。人気も高めであっという間に成約する傾向があります。
工夫次第で住み心地の良い部屋に
最近では多くの新築マンションであらゆるニーズに応えるべく、様々な間取りを用意しています。中古で購入したならリノベーションで理想の間取りに変えられます。例えばLDKを横長にするとワイドスパン型でなくても、採光や眺めを良くすることが可能です。
家族のコミュニケーションを重視するのであれば、LDKの隣に子供部屋を設けておくと常に目が行き届いて安心です。引き戸で区切る形にすると、開放すれば1つの部屋として使えます。将来、子供が独立した後の活用も自由度が高まるでしょう。キッチンを対面方式にする方法もあります。
動線はキッチンと他の水回りをユーティリティーでつなぐ形にしたり、よく使うものはリビングに収納スペースを設けて保管したりすると最小限の移動で済みます。こうした工夫で部屋のタイプによるデメリットも十分にカバーできるでしょう。
人気のマンションの間取りは?1LDK~4LDKごとのプラン集
では実際にどのような間取りが人気なのでしょうか。部屋数別に理想とされるプランを見ていきましょう。
1LDKは広い居室を区切って長く使う
1LDKはLDKと1つの居室だけなので、基本的には一人暮らしか夫婦2人で住むのに向いています。また住むだけでなく貸す時も人気の間取りです。
問題は子供が増えた時です。乳幼児の頃はまだ両親と同じ居室で生活できますが、成長すると自分の居室が欲しくなるでしょう。その時にLDKも居室も狭いと別のマンションを探さざるを得ません。
そこでLDKや居室がそれぞれに広いマンションを選びます。最初は夫婦2人で自由に使い、子供が成長するにつれてスペースを区切ります。リノベーションで独立した居室に変えても良さそうです。子供が独立したら夫婦それぞれのプライベートルームとして使えます。1LDKが2LDKや3LDKにもなるので、家族構成が変わっても長く暮らせるでしょう。
2LDKは多彩な使い方を
マンションの間取りで特に人気が高いのは2LDKです。一人暮らしならLDKと寝室の他に趣味の部屋を持てますし、夫婦で暮らす場合はそれぞれの個室を確保できます。出産を見越して初めから2LDKを選択する夫婦もいます。居室同士を引き戸やカーテンで仕切れるようにすれば1つの居室を個室に変えたり、その逆にするのも簡単です。
田の字型やセンターイン型のマンションであればリビングを広くできるメリットもあります。リビングをおしゃれにして訪問客用にする一方で、2つの居室は実用性を高めて快適に過ごせるようにする使い分けもできます。居室ごとに収納スペースを設けると、より使い勝手は良くなるでしょう。
3LDKは価格が安くてファミリー向け
3LDKは田の字型マンションに多い間取りで、居室数の多さとは対照的に価格が安いというメリットがあります。供給数も全体の7割と他の間取りを圧倒しています。既に複数の子供がいたり将来的に子供を2人以上出産する計画があったりする家族に人気です。
物が多くて収納スペースを必要とする人にも需要があります。この場合は田の字型マンションのデメリットとなりやすい外廊下側の居室を有効に活用できるでしょう。リノベーションで仕切りを変える時も様々なバリエーションがあります。
4LDKは宿泊用や二世帯住宅に
夫婦2人に子供2人の4人家族だと4LDKなら全員の個室が持てるなど贅沢な使い方ができます。ただし、この用途で十分な広さを確保しようとすれば物件価格が高くなり、価格を抑えようとすれば居室あたりの面積が狭くなるので、あまり現実的ではありません。
二世帯など2組以上の家族が同居したり、宿泊するゲストが多くて予備の居室を確保しておきたかったりする場合に向いています。4つめの居室が狭くても良ければ茶室や書斎など、こだわりのスペースとして活用できるでしょう。
部屋の面積も意外と重要
国土交通省による居住面積の水準によると、都市部では1人あたり最低でも40平方メートルの広さが必要とされています。2人以上の世帯なら20平方メートル×人数+15平方メートルです。4人世帯は95平方メートルになります。
一般的に4人世帯で最適なのは3LDKですが、必ずしも95平方メートルあるとは限りません。それだけの面積があったとしても収納スペースやPSなどで実際はもっと狭くなる場合があります。広い居室を快適に感じるなら、部屋数以上に面積を重視した方が後悔しなくて済むでしょう。
マンションは何で重視?風水的におすすめの間取りとは?
ここまで見てきたように、マンションを選ぶ時は間取りや広さ、日当たりなど、実際に暮らす上での使い勝手や快適性が重視すべきポイントになります。それに対して「風水」のように縁起の良し悪しを重視する人もいます。風水で見た場合、どのような間取りが良いのでしょうか。
風水で特に重要なのは「方角」です。例えばバルコニーの向きは東南から南が吉とされています。対して北東から北西は凶です。実際にバルコニーが東南から南に向いていれば、必然的にリビングも同じ方角になります。1日を通して日当たりが良いので快適に過ごせますし、寒い季節は暖房費を節約できます。
もう1つ風水で注意したいのは「鬼門」です。一般的に北東が「鬼門」、西南が「裏鬼門」であり、リビングはもちろん水回りも避けるべきだと言われています。確かに北東は1日中薄暗くてカビが生えやすく、逆に南西は熱がこもって腐敗を招きがちです。「鬼門」は書斎や勉強室、「裏鬼門」は高齢者向けの居室に最適です。
風水では自然のエネルギーも重視するため、マンションの階層や位置も重視します。
階層は低いほど良く、あまり高すぎるのは望ましくないとされています。せいぜい7階くらいが限度です。これは地のエネルギーが届きづらいという理由の他に、マンションは風などの影響により体では感じない程度に揺れ続けています。高層階になるほどその揺れが大きくなるため、体調不良になりやすいのです。また災害時は避難に時間がかかったり、貯水槽の水を使わなければいけなかったりするデメリットもあります。
他にも風水的にはNGとされる袋小路に位置するマンションは道をふさがれると逃げられません。T字路の突き当たりやカーブの外側は車などが飛び込むリスクがあります。四角形でなく鋭角や窪みがあるマンションは使い勝手が悪いものです。
このように風水の中には長年の経験則が反映されているものがあり、住みやすいマンションを選ぶ上で参考になるでしょう。ただし過信して色使いや家具の配置が頓珍漢になっては本末転倒です。家族の快適さを何よりも重視しましょう。
不動産を買う時は、売る時のことも考えることが大切!
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まとめ
理想だったはずの間取りが暮らしづらいのは、面積が狭かったり動線に合っていなかったり採光や通風が悪かったりする可能性が考えられます。家族の人数と部屋数だけで決めるのではなく、ライフスタイルに合っているかも重視したいところです。間取り図だけでも多くの情報を得られますし風水も参考になりますが、やはり実際に見学するのが一番です。