住宅ローンを無理なく完済するための適切な返済額と万が一の対処法

住宅ローンを利用するときは、本当に返済できるのか不安になります。借りる金額や利息、返済期間など様々な要素はありますが、毎月またはボーナス時の返済額を適切に設定するのも大切です。現実的な目安と返済が厳しくなったときの対処法について紹介します。

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住宅ローンは身の丈に合った金額を借りて困ったときはすぐ相談!

・住宅ローンの返済額は手取り収入の20%程度がベスト

・無理なく返済できる金額をあらかじめ計算しよう

・返済方法は「元利均等返済」が主流。

・返済が厳しいときは速やかに金融機関へ相談を

金融機関では審査によって多めの融資額を提示してくれますが、住宅ローンは必ず返済しなければいけないので全面的に頼るのは大きな負担になります。

まずは自分の返済能力を把握するのが大事です。それでも返済が厳しくなったときは金融機関に相談すると返済額の変更を提案してくれるでしょう。

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住宅ローンの現実的な返済額の目安はどれくらい?

じぶん銀行内のサイト「マネーゴーランド」の調査によると、住宅購入者のうち約7割がローンを利用していました。現金で一括購入できたのは1割未満です。住宅は「人生で一番高い買い物」といわれるだけに、ほとんどの場合においてローンの利用は不可欠といえます。

むしろお金が貯まるまで住宅購入を待つのは、本当に住宅が必要なタイミングを逃してしまうので現実的ではありません。

住宅購入者の年齢層を見ても、約半数が20代で残り4割が30代です。40歳を過ぎてから住宅を購入したのは1割程度しかいません。ローンの返済期間は約6割が30年以上と長期にわたるので、定年退職までに完済すると考えれば早いほうが望ましいでしょう。

月々の返済額は7割近くが10万円以下で、最も多かったのは5万円以上7万円未満でした。ほぼ賃貸の住居費と同じくらいに収まるよう返済額を設定しているようです。世帯月収における割合で見ると約7割が25%未満です。

金融機関の中には年収における返済比率が40%になるまで融資するところもありますが、実際には月収の20%程度に抑えるのが無理なく返済できる目安でしょう。家賃に置き換えても30%を超えると、よほど年収が多くない限り家計に余裕が無くなると実感できるはずです。

だからこそ住宅ローンを利用するときは、金融機関が提示する融資可能額をそのまま借りるのではなく、本当に返済できるか前もって計算しておきたいものです。

まずは年間の手取り収入を合計し、そこから住宅にかかる費用以外の支出を引きます。さらに住宅を購入した後に発生するローン以外の費用も引きます。例えば戸建であれば固定資産税や都市計画税、マンションならさらに管理費や修繕積立金などが発生します。住居の広さが変わる場合は光熱費の上昇も見込んでおきましょう。

こうして最後に残った金額を12で割ったものが、無理なく捻出できる月々の返済額です。できれば将来かかる子どもの教育費や老後の資金、万が一の出費についても考慮しておきたいものです。

住宅ローンの返済期間におけるイベントやキャッシュフローを表にまとめると、視覚的に分かりやすくなるでしょう。

近年は住宅ローンの金利が安くなっており、固定金利のフラット35さえ2%未満で利用できます。以下に金利が年2%の固定、元利均等返済、返済期間は35年、返済比率を20%にしたときの借入可能額と月々の返済額を年収ごとにまとめました。これが無理なく返済できる一つの目安といえます。

年収

借入可能額

月々の返済額

300万円

1,510万円

5万円

400万円

2,023万円

6.7万円

500万円

2,506万円

8.3万円

600万円

3,019万円

10万円

700万円

3,532万円

11.7万円

800万円

4,015万円

13.3万円

900万円

4,529万円

15万円

1000万円

5,042万円

16.7万円

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住宅ローンの返済方法は2パターンある

住宅ローンの返済方法は「元利均等返済」と「元金均等返済」の2パターンあります。主流は元利均等返済のほうで、元金均等返済は金融機関によって扱っていないところがあります。どちらが良いかは利用者次第です。それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。

元利均等返済

返済額の中から利息が優先的に引かれて、残りが元金の返済に充てられる方法です。メリットは固定金利であれば毎回の返済額はずっと一定で、長期にわたる返済計画が立てやすいところです。デメリットとしては返済開始時に元金がほとんど減らず、同じ条件なら総返済額は元金均等返済よりも多くなります。

元金均等返済

一定額の元金に期間中の利息を上乗せして返済する方法です。元利均等返済に比べると元金は早く減り、総返済額も少なくなるのがメリットです。

その代わり毎回の返済額がシミュレーションしづらく、返済開始時の負担が最も大きいところはデメリットです。ローンを申し込むときの審査も元利均等返済よりは厳しくなる傾向があります。

返すのが厳しい!そのとき住宅ローン返済額を変更できる?

返済できると確信して住宅ローンを組んでみたものの、予想外の支出が発生したり、収入が途切れたりするなどして、返済が厳しくなる場合があります。そんなときは事前に金融機関に相談するのをおすすめします。

金融機関では様々な方法で返済条件の変更を提案してくれるはずです。決して返済が厳しいのを責めはしません。途中で挫折されて住宅を差し押さえるよりは、返済条件を変更してでも完済してもらうのが望ましいからです。黙って滞納するのが最も良くありません。以下の方法の中から検討してみましょう。

・返済期間を延ばす

返済期間を延ばして月々の返済額を減らす方法です。元金が減るわけではなく総返済額も利息の分だけ多くなりますが、月々の負担は軽減されて気持ちに余裕ができるでしょう。

・ボーナス払いを辞める

ボーナスが急に支給されなくなったときはボーナス払いを辞めると、まとまった返済がなくなって楽になります。ただし月々の返済額が増える点は注意が必要です。

・利息だけを返済する

いよいよ厳しくなったときは、利息だけを返済する猶予期間を設けることも可能です。ただし元金はそのままであり、返済を再開すると月々の返済額が増える可能性もあります。

・別の金融機関に借り換える

住宅ローンの金利は常に変動しており、利用のタイミングによっては現在よりも高い利息を支払っている可能性があります。近年はほとんどの金融機関で住宅ローンの変動金利は1%未満です。借り換えによって金利が下がれば月々の返済額が少なくなり、負担が軽減されるでしょう。

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ただし借り換えには新規で住宅ローンを利用するときと同様の審査があります。住宅を購入したときから仕事が変わっていたり、病気になっていたりすると、以前のような融資額や返済期間で借り換えできないかもしれません。また金融機関によっては数十万円の手数料が必要であり、その分を考慮するとお得にならない恐れもあります。変動金利の住宅ローンに借り換えるときは金利が上昇するリスクにも注意しましょう。

・住宅を手放す

どうしても返済できない場合は住宅を手放すしかありません。任意売却」と「競売」の2パターンがあります。任意売却は金融機関と相談の上、住宅ローンの抵当権を外してもらい売却します。

ただし返済が可能な限りは認められず、いよいよ滞納するしかなくなったとき初めて許可する金融機関がほとんどです。

一方、何の相談もなく滞納が続くと金融機関(または代位弁済を行う保証会社)の申し出により強制的に住宅が差し押さえられ、競売にかけられてしまいます。任意売却よりも安く落札されやすく、競売にかかる費用の負担も必要です。

どちらも売却(落札)額ではローンを完済できない恐れがあり、残債については引き続き返済していかなければいけません。あくまでも最後の手段と心得ましょう。

・手続きの注意点

いずれの方法も手続きにおいては多少の審査があり、手数料も発生します。返済額の変更程度なら比較的容易に認められ、手数料も無料や数万円程度で済む金融機関が多いようです。

だからこそ返済が厳しいと感じたら、早めに相談するのが一番です。併せて月々の出費を見直し、あらためて返済計画を立てるべきでしょう。

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まとめ

住宅ローンを完済するには現在の収入や支出から無理のない返済額に設定するのが大切です。返済比率が年収の20%以内に収まる範囲で住宅ローンを利用すると返済しやすいでしょう。

どうしても返済が厳しくなったときは金融機関に相談すると、月々の返済額の変更を提案してくれます。滞納して住宅を手放すことが無いよう早めに対処しましょう。